國學院大學 平成29年度SYLLABUS

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科目名 教員名
宗教考古学2 笹生 衛

免許・課程

資格課程

神職課程

開講詳細

開講キャンパス 開講時期 曜日 時限 開講学年 単位数
渋谷キャンパス 後期 火曜 7時限 2 2

講義概要

授業のテーマ

考古資料から、古代・中世の信仰・宗教を考える。考古資料から見た神仏信仰の変遷と歴史的背景。

授業の内容

奈良・平安時代の神祇祭祀と仏教信仰の実態について考古資料を使って跡づける。特に、文献史料が残されていない、地方村落内における信仰のあり方を、墨書土器や形代類、手捏土器、仏具類などの出土状況から復元する。また、古代から中世への変化について、集落景観の変化、死者を葬る墓制、寺院・堂など仏教施設の変化を解説し、さらに、現在の民俗信仰との関連についても触れる。考古学の「もの資料」をもとに、現在までつながる伝統的な信仰の流れを考察する。

到達目標

【知識・理解】
・古代から中世に到る信仰関連の遺物・遺跡について概説的な説明ができる。
・考古資料を使い古代から中世に到る信仰・宗教の変遷について、概説的な説明ができる。
【思考・判断】
・考古学の「もの資料」と、人間の信仰を結びつけ、信仰・宗教の歴史を読み取ることができる。
【関心・意欲】
・民俗行事や文化財への関心を持つ。
【技能・表現】
・遺構・遺物の実測図、土器編年など、考古資料の見方・意味を理解できる。

授業計画

第1回 (1)律令期祭祀の位置づけ(1) 。『神祇令』、「神祇官」の基礎的な内容を確認し、平城宮の発掘調査成果にも触れる。
【準備学習 30 分】
⇒講義資料を事前に確認し、概要を把握しておくこと。
第2回 律令期祭祀の位置づけと祭具(2)。『神祇令』に定められた祭祀や古代の文献史料に見られる祭祀について説明する。
【準備学習 30 分】
⇒講義資料を事前に確認し、概要を把握しておくこと。
第3回 葬送と祭祀をめぐって(1)-古墳時代から古代(奈良・平安時代)にかけての祖(おや)の観念と集落と墓域の景観-。『記紀』や『風土記』に記された「祖(おや)」について解説した後、埼玉古墳群の稲荷山古墳から出土した鉄剣銘の「上祖」の性格を考える。
【準備学習 30 分】
⇒講義資料を事前に確認し、概要を把握しておくこと。
第4回 葬送と祭祀をめぐって(2)-古墳時代から古代(奈良・平安時代)にかけての祖(おや)の観念と集落と墓域の景観-。千葉県千葉市高沢遺跡と周辺の古墳群を舞台として、古墳時代から平安時代にかけて、集落と墓の位置・景観が如何に推移したのか、その景観は歴史的に、どのような意味を持つのか考える。
【準備学習 30 分】
⇒講義資料を事前に確認し、概要を把握しておくこと。
第5回 人形などの祭具の性格と歴史(1)。主に祓と人形の関係について見ると同時に、人形の考古学的な分析を行い、祓う人形と捧げる人形について考察する。
【準備学習 30 分】
⇒講義資料を事前に確認し、概要を把握しておくこと。
第6回 人形などの祭具の性格と歴史(2)。馬形・絵馬など奈良・平安時代の祭具の種類・起源、その歴史的について解説し、その背景について考える。
【準備学習 30 分】
⇒講義資料を事前に確認し、概要を把握しておくこと。
第7回 古代集落と祭祀・仏教(1)。東国の古代(8・9世紀)の集落遺跡から出土する祭祀用の土器や墨書土器を紹介し、そこから当時の集落で信仰されていた神仏について考察する。
【準備学習 30 分】
⇒講義資料を事前に確認し、概要を把握しておくこと。
第8回 古代集落と祭祀・仏教(2)。8・9世紀の大規模な集落遺跡、千葉県鳴神山遺跡などを舞台として、当時の集落の景観の中で神仏の信仰を具体的に復元する。
【準備学習 30 分】
⇒講義資料を事前に確認し、概要を把握しておくこと。
第9回 古代の動物神饌(1)。動物を神へと捧げる動物神饌について、古代の文献史料や祝詞などから、その存在を具体的に説明し、考古資料から古墳時代の事例についても検討する。
【準備学習 30 分】
⇒講義資料を事前に確認し、概要を把握しておくこと。
第10回 古代の動物神饌(2)。古代の動物供犠祭祀、釈奠(せきてん)について、上総国府関連遺跡、千葉県稲荷台遺跡の事例から復元し、その歴史的な背景について考える。
【準備学習 30 分】
⇒講義資料を事前に確認し、概要を把握しておくこと。
第11回 東国の集落遺跡と神仏習合(1)。鹿島神宮の神仏習合について触れた後、香取神宮周辺の集落遺跡から出土する仏教関連の遺構・遺物を分析し、その性格と歴史的な背景について考える。
【準備学習 30 分】
⇒講義資料を事前に確認し、概要を把握しておくこと。
第12回 東国の集落遺跡と神仏習合(2)。11回に続き、香取神宮周辺の集落遺跡から出土する仏教関連の遺構・遺物を分析し、その性格と歴史的な背景について考える。
【準備学習 30 分】
⇒講義資料を事前に確認し、概要を把握しておくこと。
第13回 古代集落と仏教信仰(1)。国分寺など古代の大規模寺院以外で、集落内や丘陵内で、小規模な寺院、寺・堂と考えられる施設、仏教関係の遺物が出土する事例が、確認されるようになっている。13回の講義では、その種類と性格について解説する。
【準備学習 30 分】
⇒講義資料を事前に確認し、概要を把握しておくこと。
第14回 古代集落と仏教信仰(2)。一定の地域の中で寺院・寺・堂と集落がとのようなネットワークでつながっていたのか、考古学資料から復元し、その歴史的な背景について考える。
【準備学習 30 分】
⇒講義資料を事前に確認し、概要を把握しておくこと。
第15回 神輿の起源と展開。古代に発生し、現在まで祭祀の中で重要な働きを持つ「神輿」の成立と歴史的な展開、あわせて「祭礼」の歴史的な流れについても考える。
【準備学習 30 分】
⇒講義資料を事前に確認し、概要を把握しておくこと。
授業計画の説明 主に、8世紀から12・13世紀頃までの時代を対象とします。その中で、古代と中世との信仰的な連続と断絶、現在につながる神社信仰、民俗行事との関係について、考古学の「もの」資料や絵画資料から考えます。

※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。

授業時間外の学習方法

各時間ともに講義資料をアップするので、事前にダウンロードし内容に目を通しておいてください。

受講に関するアドバイス

写真や図面をパワーポイントで示しながら講義を進めます。講義内容は、配布プリントに書き込んでおく予定です。講義中は、写真・図面をできるだけ観察し、その意味や見方など不明な点は積極的に質問してください。

成績評価の方法・基準

評価方法 割合 評価基準
リポート(単位論文) 100% 講義内容に基づき古代から中世の信仰・祭祀の流れが系統的に説明できる。

※すべての授業に出席することが原則であり、出席自体は加点の対象になりません。


注意事項 成績評価は、講義への出席が前提で、リポートの内容は、講義内容を反映したものとします。講義内容を反映していないリポートは、評価の対象外とします。

※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。

教科書・参考文献等

教科書

特に指定しない。毎回、講義資料を配布する。

参考文献

書名 著者名 出版社 備考 K-aiser
『神仏と村景観の考古学』 笹生衛 弘文堂
『日本古代の祭祀考古学』 笹生衛 吉川弘文館
『神と死者の考古学』 笹生衛 吉川弘文館

オフィスアワー

金曜日3限、火曜日6限