國學院大學 平成29年度SYLLABUS

印刷

科目名 教員名
演習1(2) 尾近 裕幸

開講詳細

開講キャンパス 開講時期 曜日 時限 開講学年 単位数
渋谷キャンパス 後期 金曜 6時限 2 2

講義概要

授業のテーマ

経済分析の手法としてのミクロ経済学とマルチエージェント・シュミレーション技法を学ぶ

授業の内容

○ この演習の目的は、様々な経済問題を分析する方法である 「ミクロ経済学」と「マルチエージェント・シミュレーション」技法を学び、身につけることです。
 

○ ミクロ経済学の学修を通じて経済学的思考力と分析力を養います。

○ 「社会」は、多くの人間が相互に作用し合うことによって生まれ、機能しています。この社会を作り上げている一人一人の人間を「エージェント(agent)」と言います。そして「マルチエージェント(multi-agent)」というのは、「たくさんの人間」という意味です。ただし、社会は、人間だけでなく、植物・動物を含む広義の自然というエージェントからも構成されています。

○ こうした社会の捉え方を前提とすれば、「社会問題」や「経済問題」は、私たち人間(エージェント)の相互作用の結果として発生し、それらの問題自体が私たち人間(エージェント)の行動を左右し、さらにそのことが問題をより複雑にしている、と考えることができます。

○ マルチエージェント・シミュレーションは、こうしたエージェント同士の相互作用から、どのようにして一定の社会状態(社会問題)が生まれるのかを、コンピュータ上に多くのエージェント(マルチエージェント)からなる「人工社会」を構築し、それらエージェントを相互作用させる(つまり、「シミレーション」を実行する)ことで調べます。
 

○ この演習では、山影進『人工社会構築指南:artisocによるマルチエージェント・シミュレーション入門』(書籍工房早山、2010年)を教科書にして、マルチエージェント・シミュレーションを実行するためのモデル構築の方法を学習します。

○ この学習にはプログラミング技法やプログラミング言語の知識は不要で、「文系」の学生に適しています。


到達目標

○(知識・理解)
 
(1)消費者行動の理論・生産者行動の理論・市場均衡の理論について説明できる。 
(2)人工社会という新しい社会分析の発送と方法について説明できる。
  

○(技能・表現)
 
(1)経済学的思考法と経済分析ツールを用いて、経済問題を分析できる。 
(2)マルチエージェント・シュミレーションの技法を用いて、シミュレーションのためのモデルを構築できる。
 
(3)思考のプロセスや結果について、論理的かつ説得的に説明することができる。


○(態度)
 
(1)課題・問題点を発見し、その解決に向けた対応策を計画し、行動を自ら起こすことができる。

授業計画

第1回 教科書|第0部|人工社会をもっと身近に
第0章|人工社会を作る
第1章|人工社会を作る理由
第2章|artisoc
【準備学習 300 分】
⇒テキスト(1)の予習
テキスト(2)の精読
テキスト(3)による数学の学習
第2回 教科書|第1部|モデルの基本
第3章|シミュレーションの準備
第4章|エージェントを動かす
 
【準備学習 300 分】
⇒テキスト(1)の予習
テキスト(2)の精読
テキスト(3)による数学の学習
第3回 第5章|エージェントに判断させる
第6章|エージェントに周囲の環境を調べさせる  
    
【準備学習 300 分】
⇒テキスト(1)の予習
テキスト(2)の精読
テキスト(3)による数学の学習
第4回 第7章|モデルの外部からのモデル設定値の操作
第8章|シミュレーションの過程の出力・管理
  
【準備学習 300 分】
⇒テキスト(1)の予習
テキスト(2)の精読
テキスト(3)による数学の学習
第5回 第9章|格子型空間の活用
第10章|シェリング「分居モデル」の構築
【準備学習 300 分】
⇒テキスト(1)の予習
テキスト(2)の精読
テキスト(3)による数学の学習
第6回 教科書|第2部|人工社会の発想と技法
第11章|状況に応じた行動の選択肢の増加
    
【準備学習 300 分】
⇒テキスト(1)の予習
テキスト(2)の精読
テキスト(3)による数学の学習
第7回 第12章|エージェントの属性を豊富化
    
【準備学習 300 分】
⇒テキスト(1)の予習
テキスト(2)の精読
テキスト(3)による数学の学習
第8回 第13章|周囲のエージェントからの影響
【準備学習 300 分】
⇒テキスト(1)の予習
テキスト(2)の精読
テキスト(3)による数学の学習
第9回 第14章|特定のエージェントからの影響
    
【準備学習 300 分】
⇒テキスト(1)の予習
テキスト(2)の精読
テキスト(3)による数学の学習
第10回 第15章|他のエージェントへの働きかけ
    
【準備学習 300 分】
⇒テキスト(1)の予習
テキスト(2)の精読
テキスト(3)による数学の学習
第11回 第16章|エージェントへの究極の働きかけ
【準備学習 300 分】
⇒テキスト(1)の予習
テキスト(2)の精読
テキスト(3)による数学の学習
第12回 第17章|非対称な相互作用の複雑化
【準備学習 300 分】
⇒テキスト(1)の予習
テキスト(2)の精読
テキスト(3)による数学の学習
第13回 第18章|空間の「場」としての利用
 
【準備学習 300 分】
⇒テキスト(1)の予習
テキスト(2)の精読
テキスト(3)による数学の学習
第14回 第19章|同期問題
【準備学習 300 分】
⇒テキスト(1)の予習
テキスト(2)の精読
テキスト(3)による数学の学習
第15回 第20章|コンウェイの「ライフゲーム」の構築
【準備学習 300 分】
⇒テキスト(1)の予習
テキスト(2)の精読
テキスト(3)による数学の学習

※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。

受講に関するアドバイス

○毎日、コツコツと勉強する、読書する習慣をできるだけ早く身につけましょう。

○ プログラミング技法やプログラミング言語の知識は不要で、「文系」の学生に適しています。

○ 
パソコンを操作しながら学習を行いますので、各自、ノート型パソコン(OSはウィンドウズでもマックでも大丈夫です)を準備してください。


○ シミュレーション技法の習得には、「根気」と「継続」と「自主性」が不可欠です。毎日コツコツと勉強できる人に向いています。

○ 教科書(3)を使って数学の勉強をします。苦手であっても少しづつ丁寧に学習しますので安心してください。ただし、継続的に勉強することが大事です。

○ 「経済理論入門」と「ミクロ経済学」を必ず受講してください。

成績評価の方法・基準

評価方法 割合 評価基準
平常点 100% 授業での報告に基づいて評価する

※すべての授業に出席することが原則であり、出席自体は加点の対象になりません。


※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。

教科書・参考文献等

教科書

(1) 山影進『人工社会構築指南:artisocによるマルチエージェント・シミュレーション入門』書籍工房早山、2010年
(注:artisoc (アーティソック)は、人間同士の相互作用を コンピュータ上で簡単に再現することができ、ダイナミックに変化する社会現象を生きたまま分析できる マルチエージェント・シミュレータです)。

(2)神取道宏『ミクロ経済学の力』日本評論社、2014年。

(3)A.C. チャン・K. ウエインライト『現代経済学の数学基礎』第4版 シーエービー出版、2010年

オフィスアワー

金曜日10:40-11:40