國學院大學 平成29年度SYLLABUS

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科目名 教員名
考古学調査法 青木 敬

開講詳細

開講キャンパス 開講時期 曜日 時限 開講学年 単位数
渋谷キャンパス 通年 木曜 5時限 23 4

講義概要

授業のテーマ

発掘調査から発掘調査報告書作成まで

授業の内容

考古学では、発掘調査などの野外調査が実験の役割を果たす。発掘調査などを通して得られた多くの情報をもとにして人類の過去を探るのが考古学である。したがって考古学における発掘調査の役割はきわめて大きく、精度の高い発掘調査をおこなうには相応の技術を習得することが求められる。
前期では、考古学の発掘調査に欠かせない基本的な技術を身に付けてもらうことを目的とする。これら基本的な技術を習得し、夏季休暇中には10日間の発掘調査実習をおこなう。発掘実習は、長野県安曇野市の穂高古墳群(古墳時代後期の群集墳)を予定している。
発掘調査をおこなった後は、調査成果を詳細に記録した発掘調査報告書を刊行せねばならない。なぜなら、国民共有の財産である埋蔵文化財についての情報を広く共有するためには、第三者にも調査成果が分かる発掘調査報告書が欠かせない。報告書の中でも、遺構や遺物などの考古資料を各種記録化することはとくに重要であり、実測・拓本・写真撮影など数多くの専門技術が要求される。そこで後期は、実際の遺物資料に触れながら、遺物整理に関わる基本的な技術の習得を目指す。これに並行して発掘調査の成果をまとめ、各自が分担して執筆や製図などをおこない、発掘調査報告書を刊行する。
なお、本授業は選択科目だが、考古学を専攻しようとする学生は、必修に準ずる扱いとするので留意されたい。また、発掘実習への参加人数や宿泊施設その他の都合により、考古学専攻以外の学生の受講を制限することがある。

到達目標

【知識・理解】
①考古学的な発掘調査を遂行するために必要な基本的技術を習得する。
②発掘調査後に調査成果をまとめ、発掘調査報告書として刊行する。
【思考・判断】
調査者として主体的に判断しつつ、発掘調査や報告書の作成を進めることができる。
【関心・意欲】
積極的かつ主体的に発掘調査および発掘調査報告書作成に参加し、考古学の基礎研究を実践する。

授業計画

第1回 授業の進め方の説明、受講者個人が必要とする道具の説明、考古学実習室の説明、受講者調査書の記入
第2回 受講者調査書の回収、埋蔵文化財行政についての解説
【準備学習 50 分】
⇒文化庁文化財部記念物課(編)『発掘調査のてびき―各種遺跡調査編―』、のうち墳墓編を読んでおく。
第3回 測量技術(1) 測量機材の操作方法
【準備学習 50 分】
⇒文化庁文化財部記念物課(編)『発掘調査のてびき―集落遺跡発掘編―』、のうち第Ⅵ章を読んでおく。
第4回 測量技術(2) 測量機材の操作方法と実践
第5回 測量技術(3) 平面図を作成する平板測量の技術
第6回 測量技術(4) 平面図を作成する平板測量の技術
第7回 測量技術(5) 遺構実測図の作成技術
第8回 測量技術(6) 遺構実測図の作成―平面図―
第9回 測量技術(7) 遺構実測図の作成―平面図―
第10回 測量技術(8) 遺構実測図の作成―断面図―
第11回 測量技術(9) 遺構実測図の作成―断面図―
第12回 測量技術(10) 遺構実測図の作成―土層図―
第13回 測量技術(11) 遺構実測図の作成―土層図―
第14回 写真撮影の技術(1)
第15回 写真撮影の技術(2)
第16回 報告書刊行へむけた整理作業ならびに報告書刊行作業の方針設定
【準備学習 90 分】
⇒文化庁文化財部記念物課(編)『発掘調査のてびき―整理・報告編―』の第Ⅰ章~第Ⅵ章までを読んでおく。
第17回 遺物実測の技術と実践(1)
第18回 遺物実測の技術と実践(2)
第19回 遺物の採拓
第20回 発掘調査成果の整理作業
第21回 発掘調査成果の整理作業
第22回 発掘調査成果の整理作業
第23回 発掘調査成果の整理作業
第24回 発掘調査成果の整理作業
第25回 発掘調査成果の整理作業
第26回 発掘調査成果の整理作業
第27回 発掘調査成果の整理作業、発掘調査報告書原稿の読み合せ(1)
【準備学習 60 分】
⇒事前に配布された読み合わせ資料を精読し、校正が必要な部分が指摘できるようにしておく。
第28回 発掘調査成果の整理作業、発掘調査報告書原稿の読み合せ(2)
第29回 発掘調査成果の整理作業
第30回 発掘調査成果の整理作業、発掘調査報告書原稿の読み合せ(3)
授業計画の説明 必要に応じてプリントなどを配布する。

※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。

授業時間外の学習方法

発掘調査技術の習得や発掘調査報告書の刊行へ向けた作業は、授業時間内で完結するものではない。授業以外の練習や整理作業にも適宜参加し、研鑽することが望ましい。授業の参加だけで、必要十分な調査者としての技量を身につけることは困難であることを肝に銘じておいてほしい。

受講に関するアドバイス

①前期は、測量の際に必要となる製図用の鉛筆、消しゴム、赤青鉛筆、三角スケール、コンベックス、野帳などの道具を事前に準備しておくこと。
②後期は、遺物実測に必要な道具のうち、マーコ、キャリパー、ディバイダ―については貸与するが、三角定規(端から0がはじまるもの)については事前に準備しておくこと。

成績評価の方法・基準

評価方法 割合 評価基準
平常点 100% 主体的に発掘調査および発掘調査報告書作成に参加し、所与の役割を全うしているか。

※すべての授業に出席することが原則であり、出席自体は加点の対象になりません。


注意事項 毎回、発掘調査に不可欠な実技を身に着ける授業のため、原則として休んではならない。
欠席5回以上は失格とする。

※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。

教科書・参考文献等

教科書

特になし。

参考文献

書名 著者名 出版社 備考 K-aiser
発掘調査のてびき 文化庁文化財部記念物課編 同成社 ―各種遺跡調査編―
発掘調査のてびき 文化庁文化財部記念物課編 同成社 ―整理・報告編―
発掘調査のてびき 文化庁文化財部記念物課編 同成社 ―集落遺跡発掘編―

オフィスアワー

木曜2限、金曜2・5限