國學院大學 平成29年度SYLLABUS

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科目名 教員名
史学特殊講義 山崎京美

開講詳細

開講キャンパス 開講時期 曜日 時限 開講学年 単位数
渋谷キャンパス 集中 サマーセッション サマーセッション 234 2

講義概要

授業のテーマ

動物骨から歴史を読み解く

授業の内容

動物考古学は環境考古学の一分野であり、遺跡から出土する貝殻や歯・骨などから当時の環境や社会、食、人間行動、家畜化過程、儀礼や祭祀といった、人や動物とのかかわりを調べる分野です。モースによる大森貝塚の発見以降、貝塚から発見される動物遺体(貝、骨、歯、角など)は日本考古学の歴史とともにありました。しかし、この分野の重要性が認知されるようになったのは最近のことで、動物遺体から情報を読み解く新しい手法が開発され、従来の歴史学では光が当たらなかった証拠が次々と明らかになっています。
そこで、本講義では、まず人工遺物や文献史料とは異なる、動物考古学独自の研究手法を学びます。そして、日本人は日本列島に定着後、どのように野生動物あるいは家畜と関わり、社会や文化を形成してきたのかについて、時代変化を概観します。さらに、外来文化の影響が動物利用や動物観にどのような変化をもたらしたかについて、動物考古学や植物考古学・文献史学・人類学・古病理学など関連諸科学の知見を総合して考えます。

到達目標

・動物考古学に関する基礎的な研究手法や視点を理解できる。
・日本人に利用された動物が時代によりどのような変遷をたどってきたかをわかりやすく説明できる。
・人間と自然の歴史的関係が、今日の日本人の動物観(自然観)にどのような影響を与えたかについて関心をもつ。
・博物館などを訪問して遺跡や現代の動物骨を観察する。

授業計画

第1回 オリエンテーションー人と動物とのかかわり合いを見る視点
【準備学習 30 分】
⇒シラバスを読み、人と動物と関わる場面について例をあげておく。
第2回 動物考古学入門ー定義・研究史・調査法
【準備学習 60 分】
⇒参考文献から動物考古学について調べておく。
第3回 環境変動と日本列島の動物相ー列島形成過程で変化した動物相
【準備学習 60 分】
⇒氷河時代から後氷期にかけての環境変動について調べておく。
第4回 動物遺存体の見方ー貝や骨の基本構造と分析手法(体験学習)
【準備学習 60 分】
⇒参考文献の該当箇所や配布資料を事前に読んで調べておく。
第5回 動物遺存体の同定法①ー同定の基本(体験学習)
【準備学習 60 分】
⇒参考文献の該当箇所や配布資料を事前に読んで調べておく。
第6回 動物遺存体の同定法②ー遺跡資料を調べる(体験学習)
【準備学習 60 分】
⇒参考文献の該当箇所や配布資料を事前に読んで調べておく。
第7回 動物遺存体の同定法③ー遺跡資料を調べる(体験学習)
【準備学習 60 分】
⇒参考文献の該当箇所や配布資料について事前に目を通しておく。
第8回 縄文時代の人と動物とのかかわりー最初の家畜(イヌ)・イノシシ・シカ
【準備学習 60 分】
⇒参考文献の該当箇所や配布資料について事前に目を通しておく。
第9回 弥生時代の人と動物とのかかわりー農耕文化がもたらした変化
【準備学習 60 分】
⇒参考文献の該当箇所や配布資料について事前に目を通しておくこと。
第10回 古病理学からみた農耕社会ー骨に残る病変は何を物語るか
【準備学習 60 分】
⇒古病理学について事前に調べておく。
第11回 古墳時代の人と動物とのかかわりー大型家畜(ウマ・ウシ)の登場
【準備学習 60 分】
⇒参考文献の該当箇所や配布資料について事前に目を通しておく。
第12回 古代国家と動物とのかかわりー国家形成と仏教伝来と動物利用
【準備学習 60 分】
⇒参考文献の該当箇所や配布資料について事前に目を通しておく。
第13回 動物利用の変遷を概観するー先史時代から現代まで
【準備学習 60 分】
⇒参考文献の該当箇所や配布資料について事前に目を通しておく。
第14回 動物観のうつりかわりー縄文時代から古代を中心に
【準備学習 60 分】
⇒参考文献の該当箇所や配布資料について事前に目を通しておく。
第15回 授業時試験
【準備学習 60 分】
⇒これまで学習した内容を整理しておく。

※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。

授業時間外の学習方法

下記の参考文献やウェブページなどの関連情報に目を通しておいてください。

受講に関するアドバイス

日常ではあまり見る機会の少ない動物骨をテーマにしますが、実際に動物骨標本や遺跡資料を観察することを行いながら、分析方法を体験的に学びます。なお、体験学習の実施にあたっては、シラバスの順番が前後することがあります。詳しくは、最初の講義で説明します。

成績評価の方法・基準

評価方法 割合 評価基準
授業時試験 60% 縄文時代から古代の社会の中で人間が重視した動物種の変遷や、それらの利用のしかたの変化を理解し、当時の人間の動物観を説明できる。
平常点 40% 体験学習に熱心に取り組み、動物遺体の同定に関する課題を提出する。

※すべての授業に出席することが原則であり、出席自体は加点の対象になりません。


注意事項 コメントペーパーや簡単な課題を提示することもあるので、ノートをしっかりとってください。

※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。

教科書・参考文献等

教科書

特に指定しません。授業時にプリントを配布するので、毎回持参してください。

参考文献

書名 著者名 出版社 備考 K-aiser
事典 人と動物の考古学 西本豊弘・新美倫子編 吉川弘文館
考古学と動物学 西本豊弘・松井章編 同成社
環境考古学マニュアル 松井章編 同成社
貝塚調査と動物考古学 小宮孟 同成社
人と動物の日本史1  動物の考古学 西本豊弘編 吉川弘文館
動物の考古学 ジェイムズ・ラッカム、本郷一美訳 學藝書林

参考文献コメント

なし

参考になるウェブページ

国立科学博物館(https://www.kahaku.go.jp/index.php